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通信講座の合格率を語る前に、社労士試験全体の合格率を↓に抜粋してみました。過去10年を平均すると大体5~6%の合格率と言ったところでしょうか、資格試験としては難易度の高い部類になっています。特にH27年は2.6%という狭き門になっていますね・・・
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成26年 | 44,546人 | 4,156人 | 9.3% |
平成27年 | 40,712人 | 1,051人 | 2.6% |
平成28年 | 39,972人 | 1,770人 | 4.4% |
合格率が低い理由と過去の統計データをまとめた記事はこちらです、合わせて読んでみて下さい。
この合格率を見て分かる通り、悲しいかな普通に独学で勉強していたのでは、90%以上の確率で試験に落ちると言うことになりますから、どうにかして合格率を上げたいと思って調査していると、大体の人が通信講座や通学講座という回答に行き当たるわけです。
しかし、肝心の通信講座の合格率がイマイチ不透明なので、「本当にメリットがあるのかどうかが疑わしいなぁ・・・」という所で悩んでいる人も多いはずです。以前は資料請求のチラシやホームページにデカデカと合格率が乗っていた事も多いのですが、最近は行政指導により過度な広告が制限される風潮にあります。
なので、通信講座を開設している各社も自粛ムードで、直接問い合わせても中々答えてくれない実情があります。参考までに関連する条文を引用しておきます。
2.誇大広告等の禁止(法第12条)
特定商取引法は、誇大広告や著しく事実と相違する内容の広告による消費者トラブルを未然に防止するため、 表示事項等について、「著しく事実に相違する表示」や「実際のものより著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示」を禁止しています。
皆さんはどの程度の合格率を誇る通信講座なら受講したいと思うでしょうか?管理人は平均の倍ぐらいあると嬉しいなぁと考えます。今回は「◯秘ワザ!」と銘打って合格率を推し量る方法をドドンと公開しちゃいます。
教育訓練給付制度の指定講座を修了すると受講料の最大20%が返ってくるという受講生にはとってもありがたい制度が存在してます。当該通信講座が指定を受けるには様々なハードルをクリアして、いわゆるお役所に提出する資料を各種取り揃える必要があります。
通信講座のカリキュラムに始まって、受講者の前提条件・講座の効果測定方法など事細かに申請する必要があるのです。指定を受けるハードルがそこそこ高いので、教育訓練給付制度を適用できる通信講座は比較的優秀と言えます。
教育訓練給付制度について厚生労働省のページを引用しておきます、興味のある方はご一読下さい。すぐに嫌になると思いますが・・・(笑)
- 一般教育訓練給付の対象となる講座は、厚生労働大臣の指定を受けていることが必要です。
- 講座指定は年2回(4月1日・10月1日)行われます。指定の有効期間は3年間です。
- 指定を受けるためには、「PDF 教育訓練給付金の支給の対象となる教育訓練の指定基準」を満たしている講座であることが必要です。
この教育訓練給付制度の指定講座となっているものは、指定を受けた後も受講者数や合格者数を管轄する厚生労働省に報告する義務が生じます。そして、その情報はインターネット上で簡単にアクセス出来るように統計情報として取りまとめられているのです。
もうお分かりだと思いますが、その統計情報にアクセスすれば誰でも簡単にその通信講座の合格率を知ることが出来るのです。では、実際にどのようにして検索システムを利用するのかを具体的に見ていきましょう。
教育訓練給付制度の検索システムを利用した具体的な調査方法を解説していきます。目的のページまではいくつか手順を踏む必要があり、なれるまではコツが必要です。ここでは通信講座・eラーニングの合格率を調べる手順を画面付きで説明していきます。
検索システムのホームページは↓こちらです。本記事を見ながら一緒に操作してみてください。
検索方法を説明する前にちょっとしたルールの覚書です。「あっ!入力間違っちゃった!」と言うとき、ついついブラウザのバックボタンを押して前のページに戻りたくなりますが、システムが正常動作してくれませんので、以下のように必ず「一画面戻る」ボタンを押して下さい。では本題の解説に入りましょう。
※最初これに気がつかず、相当イライラしておりました・・・
「教育訓練給付制度 検索システム」のトップページです。「分野・資格名から検索」をクリックして下さい。
検索画面に移動した初期状態の条件は、以下のように表示されていますので少し条件を変えてみます。
「実施方法」欄で「通信講座」と「eラーニング」にチェックを入れましょう。「制度」欄で「一般教育訓練給付」を選択します。
今回の例では、「通信講座」と「eラーニング」に絞って調べておりますが、通学講座に絞る場合は「通学」のみチェックを残して検索すればOKです。
また、「専門実践教育訓練」と「一般教育訓練」に分かれてますので、ここでは「一般教育訓練」を選択するようにしてください。
※社会保険労務士は「一般教育訓練」のカテゴリに属するためです
続いて、ブラウザを少し下の方にスクロールさせると「社会保険労務士試験」が見えてきますのでチェックを入れましょう。その後「検索」ボタンをクリックして下さい。
ページに表示されている対象資格がかなり多いので、結構目的の資格名を探すのに苦労します。ページの最下段に検索ボックスがありますので、資格名を入れて検索することで絞り込む事が出来ます。
現時点(2017年)では、9校の資格学校が検索に引っ掛かってきますので、この中で調べたい学校をクリックします。例では「フォーサイト」を選択しています。
「フォーサイト」では、教育訓練給付制度の対象となっている講座が2種類存在しています。ここから更に詳細を確認するときは「詳細情報」をクリックしましょう。
ページ中段当たりに「資格取得状況」欄があり、ここに教育訓練給付制度を利用した方の受講者数、受験者数、合格率が掲載されており、赤枠の部分が受講者の合格率となってます。
この詳細ページには、「受講者に対する習得度・理解度についての具体的な助言・指導方法」や「受講中・修了時における資格取得・就職へのバックアップ体制」の情報も掲載されてますので、一緒に確認しておくとよいでしょう。
資格取得状況を確認できるのは直近の3年分だけとなっています、もっと長期に渡って確認出来ると色々分析できて面白かったのに、ちょっと残念です。
単独の合格率を見ていてもそれが良いのか悪いのかは、中々判断できませんので少し数値の読み解き方を考えてみたいと思います。
上記赤枠で囲った数値のなかで当然重視すべきは合格率ですが、受験率も重要な要素の1つです。受験率とは、本試験の受験を行った人を講座を受講した人(厳密には教育訓練給付制度の申請をした受講者)で割った数値であり、簡単に言えば、講座を受講して脱落せずに受験にまでこぎつけた確率とも言うことが出来ます。
特に教育訓練給付制度の指定講座に選ばれている講座については、初学者を対象としたものが多くなってますので、いわば初学者でも挫折せずに試験対策をすることが出来た確率とも言い換えることが出来ます。
管理人のほうで、この検索システムから調べることが出来る通信講座・eラーニングを対象に全ての受験率、合格率の合算数値を算出してみました。以下の数値を中央値と考えてそれぞれの通信講座の値を見てみると良し悪しがより明確になるかと思います。
受講者数 | 2,746人 |
受験者数 | 2,137人 |
受験率 | 77.8% |
合格者数 | 257人 |
合格率 | 12.0% |
受験率が低いが合格率は高いと言ったケースも見受けられます。もう少し突っ込んだ統計上の話で言うと「合格率」に「受験率」を重み付けとして掛け算してみるという方法もあります。これにより、より現実的な数字が明るみになってきます。
以下に社労士の代表的な資格学校の平成27年度の各講座の合算値をもとに「受験率×合格率」の数値を算出してみました。
フォーサイト | |
学習期間 | 6.0ヶ月 |
受講者数 | 231人 |
受験者数 | 125人 |
受験率 | 54.1% |
合格者数 | 41人 |
合格率 | 32.8% |
受験率×合格率 | 17.7% |
クレアール | |
学習期間 | 11.5ヶ月 |
受講者数 | 323人 |
受験者数 | 257人 |
受験率 | 79.6% |
合格者数 | 34人 |
合格率 | 13.2% |
受験率×合格率 | 10.5% |
TAC(タック) | |
学習期間 | 10.8ヶ月 |
受講者数 | 1,422人 |
受験者数 | 1,234人 |
受験率 | 86.8% |
合格者数 | 94人 |
合格率 | 7.6% |
受験率×合格率 | 6.6% |
上記の値を総合的に判断すると、短期集中で受験率が低いにも関わらず高い合格率を誇っているフォーサイト、トータルバランスに優れたクレアール、高い受験率を誇るTACとそれぞれ通信講座毎に特徴が出ていると言えそうです。
「システムに載っている合格率と通信講座のホームページに書いてある合格率が微妙に違うんだけど?」という点に違和感を覚えるかもしれません。繰り返しになりますが、検索システムに掲載されている数値は実際に教育訓練給付制度を利用した方のみの数値です。なので、通信講座の受講者全体からはじき出した真の合格率とはどうしてもズレてしまいます。
教育訓練給付制度の利用者自体の母数がそれほど多くないので、この検索システムの数値だけを信頼して通信講座を選択するのは、少々短絡的かと思います。しかしながら、母数が少ないとは言えこの統計データを管轄しているのが厚生労働省なわけですから、通信講座各社とも虚偽のデータを報告しているとは思えませんので、通信講座を選択する基準の一つとして考えて良いと考えます。
受験率や合格率はあくまで統計上の数値に過ぎません、いくら高い合格率を誇っていてもその講座が自分に合っていなければその数値は全く意味をなさない物となってしまいます。管理人であれば、通信講座の合格率に加えて最低でも以下のフィルターを通して通信講座を選択します。
意外とシンプルで誰にでも言えそうな事柄ですが、上記3つのポイントを分析して良し悪しを決める目を持つことがとても大切で、これが意外に難しかったりします。「テキストの質が高い通信講座が良いに決まっている!」と思われるでしょう、しかし「良い」とは何を基準に決まるのでしょうか?
このような基準の見極め方を本サイトの以下の記事で解説していますので、ご確認の上でアナタなりの通信講座の選びかたを模索してみてはいかがでしょうか?
あなたにピッタリ合った通信講座を選択できれば、合格率は更に飛躍的に向上すると思いますよ^^
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